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テレビアニメ『マージナルプリンス』監督の稲垣隆行氏に伺いました!
----女性向けの作品は『マージナルプリンス』が初めてということですが、お話が監督のところに届いた時のお気持ちはいかがでしたか? 稲垣隆行氏(以下稲垣):お話をいただいたときは「えぇ〜…?」っていう感じでしたね(笑)。やっぱり女性向けの作品ということで。そういうジャンルって、そんなに興味があるほうではないので、「どうしようかなぁ」という感じだったんですよ。原作になった携帯電話のゲームをやらせていただいたら、おもしろくて、気付いたらけっこうプレイしちゃっていましたね。 ----女性向けゲームをプレイしたのも、この作品が初ということになりますか? 稲垣:そうですね。でも、女性向けと言っても、ゲームの基本ジャンルとしてはアドベンチャーになると思いますし、僕もアドベンチャーゲームは好きなので。やっていたらのめりこんで、ついついゲームを始めちゃって…という感じですね。男の僕でも楽しんでプレイできたので、その魅力を一般の視聴者の方に表現できればおもしろかな、遣り甲斐があるかなと思っています。また、こういう機会がないと、こういったジャンルの作品にめぐり合うことがないので、そういう意味でチャレンジ的な部分がかなりあって、お話をお受けした感じです。 ----監督が『マージナルプリンス』を知ったきっかけは、今回のお話ですか? 稲垣:今回のお話をいただいてからですね。携帯電話を渡されて、「この作品です。プレイしてみてください」というのがきっかけですね。 ----女性向けゲーム作品へのイメージは、遊ぶ前とあとでは変わりました? 稲垣:『マージナルプリンス』に登場するキャラクターのデザインって、男性視点から見ても違和感や嫌悪感などもなく、受け入れやすくて入りやすい感じがありますね。少女漫画などの女性向けのデザイン、女性が好きなスタイルのデザインって、男性には華やか過ぎてちょっと入りづらいところがあるし、絵描き出身の僕からすると馴染みにくいところがあったんですよ。でも、この作品のデザインは甲斐さんで、そういった、女性向け特有の違和感もなく、キャラクターとして見られていたので、その辺はやりやすいなと思っています。 ----ゲームからアニメに展開するうえで、考えている部分とは? 稲垣:基本的に、ゲームだと、プレイヤーとキャラクターが1対1になるので、「普段の彼らは、どういう会話をしているんだろう」とか「どんなふうにコミュニケーションをとって、どれだけ仲がいいのか。逆に仲が悪いのか」とか(笑)、そういう、ゲームには出てこない彼らの日常や人間関係みたいなところが出せるといいかなと考えています。 ----ゲームでは音楽もストーリーに組み込まれているわけですけど、演出面としては? 稲垣:アニメのお話をいただいたときにはすでに、各キャラクターに歌が出ていたので、やっぱりそれは使いたいなと思っていましたね。もともと、音楽関係の演出をバシバシ入れるのが好きなので、「せっかく歌があるんだったら、やっぱり劇中に出していきたいね」という話は出ていて、各話数に1回ずつくらい、持ち回りで歌のシーンは作っています。ちょっと大変なんですけど、出来うる限り入れていっている感じですね。 ----1話にひとりをピックアップしたエピソード展開という感じですか? 稲垣:そうですね。全員で歌うのもたまにあるかもしれないですけど…。そういう感じで、ちょっとプロモーションアニメ的な部分も入っている感じですかね。 ----『マージナルプリンス』の見どころとは。 稲垣:基本的には、歌のシーンがメインという感じで、見ている人はおもしろいと感じていただけるふうに作っていますし、それはほかの作品ではなかなかない部分ですね。1クールだからできることなのかもしれませんね。 ----テンポ的にも、物語がリズミカルに展開していく感じになりそうですね。 稲垣:そうですね。それぞれのキャラクターソングを盛り込んだ感じで、わりと無理やりみたいなところはあるんですけど…(笑)。ほかの作品にはなくて『マージナルプリンス』だからというところでいうと、お話に歌が盛り込まれるというミュージカル的要素の部分がありますよね。 ----ちなみに、監督はどのキャラクターが好きとか、どのキャラクターのエピソードが好きとかありますか? 稲垣:…ミハイルですかね(笑)。 ----アニメにも登場する、ゲームの新キャラですね。 稲垣:そうなんですけど、おいしいキャラなので、どんどん出番が増えていってるんですよね…(笑)。それと、アニメオリジナルのキャラクターも追加されるんですけど、アニメからゲームにスライドして登場するキャラクターもいますので。 ----アニメオリジナルのキャラクターの性格などを教えていただいていいですか? 稲垣:基本的には、今まで登場しているキャラクターとは違うタイプで、ミハイルとも対極で、いわゆるカッコいい系の人です。雰囲気でいうと…不良!?(笑) 『マージナルプリンス』のフィールドで不良というのも表現としていいのか分からないんですけど。また、学校がお坊ちゃん学校のエリートなんですけど、そこに属さない不良系というか…(笑)、悪役系のカッコいい人が登場します。 ----ソクーロフ博士とは違う色のタイプですか 稲垣:そうですね。オリジナルキャラクターは、学校の生徒なんですけど…ゴルゴみたいな世界に足を踏み入れているタイプかな。なので、ゴルゴが制服を着ているのを想像していただければと思います。 ----笑)彼が、どういうふうにジョシュア達にからんでくるのかも、アニメーションオリジナルのエッセンスな感じですね。 稲垣:基本的には、今まで登場しているキャラクターとは違うタイプで、ミハイルとも対極で、いわゆるカッコいい系の人です。雰囲気でいうと…不良!?(笑) 『マージナルプリンス』のフィールドで不良というのも表現としていいのか分からないんですけど。また、学校がお坊ちゃん学校のエリートなんですけど、そこに属さない不良系というか…(笑)、悪役系のカッコいい人が登場します。 ----それぞれのキャラクターの好きな場所も出てきますか? 稲垣:出てきます。各キャラクター、個人個人いわくつきの場所があるので、そこも出るようにしてありますし、その辺は美術さんががんばってくれています。全体的にも、画面的にがんばってくれているので、かなり美しい映像になっていますので、その美しさを感じていただけるとうれしいですね。そこは期待してもらいたいところですね。 ----有難うございました。 次回スペシャルレポートは稲垣隆行監督、制作プロデューサ吉田悟氏、シリーズ構成/脚本の早坂律子氏へのインタビューです!おたのしみに。 |