■斉藤 圭さんインタビュー 第2弾
ところで、アニメを観てると、キャラクターと声優さんを重ねて見てしまうことってあると思うんですけど……。
「はい、ありますね」
そういうことを前提にして聞くわけですが、天王洲神楽と斉藤圭に共通点はありますか?
「共通点ですか? 共通点は……。うーん……。何か似てるところありますか?」
どうだろう? ちょっと人見知りな感じはありますよね。
「ああ、そうだ。きょどる」
挙動不審ってこと?
「不審まではいかない(笑)」
逆に、ここは違うというところは?
「そうですねえ……。神楽はあんまり自分の意見をはっきり言わない子なんですけど、私はワガママ言い放題なので、そういう部分はだいぶ違うな……」
そんなにわがままなんだ?
「はい。……家族に対して、ですけどね」
何かのアンケートで“雑賀さんに惚れてます”って書いてましたね。そこは神楽の気持ちとシンクロしてるわけですけど……。
「はい、雑賀さんはかっこいいって思う」
どういうところに惚れてしまったわけですか?
「自分の思ったことをすぐに行動に移して、突っ走っていくところが、かっこいいです」
なるほど。神楽は15歳ですよね。斉藤さんは今、20歳なわけですが、この5歳の差を演じるのは難しいですか?
「あまりそこは、壁は感じていないです」
雑賀は33歳という設定です。神楽から見て18歳も年上なわけですが、15歳の少女が、それくらい年の離れた男性に惹かれる気持ちっていうのは、理解できます?
「いいんじゃないでしょうか……とは思います(笑)」
うれしい答えですね。僕、33歳なんで。
「ははは(笑)」
実際、現実の33歳の男性なんて、どうです!?
「いや、いいと思いますけど」
年上好きなんですか?
「いや、そういうわけではないです。好きな人が好き。年齢に関係無く」
がくっ! じゃあ、理想の男性像っていうと……。
「かわいい人が好き」
かわいい!? 雑賀さんは、かわいくはないですよ!
「(笑)雑賀さん、好きは好きですけど……。そういう意味では、私のタイプとはまるっきり逆のような気が……(笑)」
神楽は最初、囚われの身で、何も自由にできないじゃないですか。だからこそ自由闊達な雑賀に惹かれたんだと思いますが、もし斉藤さんが、神楽みたいな状況だったら、どうします? やっぱり抜け出したいと思いますよね?
「実際には、そうなったことがないから、よくわからないですけど……。うーん……多分、すごくキレてると思う。ウキーッってなってる(笑)」
斉藤家の教育方針は割りと自由な感じだったんですか?
「まあ自由といえば自由なんですけど、めちゃくちゃ過保護なんですよ。ウチの両親は」
神楽の気持ちがわからないでもない?
「そうですね」
でも、声優として仕事をはじめたわけだから、経済的な面では、イヤでも親から自立しなくちゃいけない時期じゃないですか。お金は足りてます? ひもじかったりはしないですか?
「えーっと、今のところ、ひもじいってことはないです(笑)。大丈夫ですよ!」
僕は社会人になって良かったな、と最初に思ったのは、働いて稼いだお金で、誰にも文句を言われず好きなものを買うことができたときだったんですけど、それって、すばらしいですよね。
「そうですね!」
ショッピングはよくしますか?
「「はい。ほとんど服買いです」
どの辺りに行くんですか?
「色々行きますけど、最近は原宿に行ったり……」
六本木ヒルズには行ったことある?
「ないです……。あッ、一回、前を通ったことはある」
最近は、ああいう場所に住んでる、いわゆるセレブと呼ばれるような人たちの生活が話題になったりするじゃないですか。そういう人たちのこと、どう思いますか?
「「え? うーん……。そうですねえ」
うらやましいな、とか
「んー」
言ってみれば、水天宮みたいな人たちですよ、セレブって!(嘘)
「いやあ、頑張ってるなあって」
(笑)そっか。じゃあ、斉藤圭にとって、今までで一番の贅沢セレブ気分体験って何ですか?
「そうですね……。学生の頃、バイトしたお金で、ディズニーランドに行って、思う存分遊んで、買って、食べて……。その時は、ああ、贅沢してるなって思いました……。すみません、小さくて」
いやいや、そんなことはないですよ。ところで『スピードグラファー』には「バブル戦争」なんて言葉が出てくるわけですが、「バブル」と聞いて、ああ、あの時代のことねってピンときたりはしますか?
「いえ……それはないです。テレビのニュースとかで使われてる言葉だなって感じですね」
そうですよね。斉藤さんは何年生まれでしたっけ?
「1984年です」
ということは、日本がバブルだったと言われてる時代って、斉藤さんが小学校にあがるかあがらないかって頃までだったわけですね。
「……はい」
あ、難しい話をしないようにしますけど……。
「(笑)お願いします」
バブルがはじけてこのかた十数年、日本はずーっと不景気だ、不景気だ、と言われ続けてきてるわけですけど、そういうことを実感することはありますか?
「うーん……。でも、ずっとこの調子なわけだから、あまり不景気とは思わないですね」
そうか。そもそもバブル時代を知らないわけですからね……。専門に通ってた時の就職活動は大変じゃなかったですか?
「そうですね……。先生たちには、大変だって言われてましたけど、クラスの人たちも皆、普通に就職できてましたよ」
そうなんだ。結構回復してるのかなあ、日本経済は。今、雑賀くらいの年齢の人が、大学を卒業して働き始めた頃って、すごい就職難の時代だったんですよ。
「そうなんですか?」
僕がそうだったんだけど、大学卒業しても就職できなかったもん。
「あはは」
どこも就職先が無い! やばい! みたいな。
「そうですか……。そうだったんですね」
話題が逸れすぎましたね。話を『スピードグラファー』に戻しましょう。天王洲神楽を演じてきて、今までで一番印象に残ってる場面は?
「印象に残ってるのは……。うーん……。色々ありますけど、神楽と銀座が山小屋で初めて出会った場面」
どうして、その場面が?
「それまでにも銀座と神楽は、物語に登場してるのにも関わらず、ずっと別々で、直接出会ってなかったじゃないですか。それがやっと会うことができたっていう事が感動でした」
なるほど。そういう、人と人とのめぐり合わせみたいなところに心を動かされたんだ?
「もしかして、このまま会えないのかな? って思ってたので」
神楽を演じるうえで、難しかったことはありますか?
「一番よく注意されるのが、“雑賀”のイントネーション」
ああ。サイガ↑って上がるのか、サイガ↓って下がるのか、という部分ですね。
「はい」
雑賀って割と珍しい苗字ですしね。『スピードグラファー』のキャラクターの名前って、主に東京の地名が付けられているんだけど、キャラの名前を聞いて、ああ、あそこだってイメージできます? 神楽は神楽坂かららしいですけど……。
「あ、そうなんですか」
そうらしいですよ。ちなみに今、斉藤さんの所属事務所のあるのが……。
「神楽坂なんですよ」
すごい偶然ですよね。運命的なものを感じるなあ……。それはそうと神楽坂は風情のある町ですよね。
「そうですね〜。先日、神楽坂祭りやってましたよ。うわ〜、楽しそう! って」
じゃ、次はいつも斉藤さんがラジオ番組のゲストにしてる質問と同じなんですけど、斉藤さんがユーフォリアになるとしたら、どんなユーフォリアになりますか? という質問です。
「はい……。でも、ユーフォリアになるほど極めてる事って特にないんですよ……」
そうなんですか? 何マニアとか、ないですか?
「マニアって……何なんでしょうか……?」
あ、すごい根本的なことを聞かれちゃったな……。
「ただ“好き”っていうのと“マニア”の境目って、あるんですか?」
うーん。“ものすごく好き”だと“マニア”で、いいのでは……。
「そうですか……。うーん……。あ、ミッキーにはときめきますよ」
ミッキー、いいじゃないですか!
「でもミッキーよりグーフィーの息子のほうが好きかな」
グーフィーに息子!?
「いるんですよ。高校生くらいの」
高校生!?
「ショウに出てるんです。パレードとかに。写メみます?」
うん。……ああ、やんちゃな感じのキャラクターが好きなんですね。
「そうですね。そうかもしれません」
じゃあ、ユーフォリアになるとしたら、グーフィーの息子みたいな姿で……。
「いやーん。それはどうなんですかねッ!?」
遊園地の着ぐるみを着た女の子……『ホテル・ニューハンプシャー』のナスターシャ・キンスキーみたいでイイ!
「んー。でもやっぱりユーフォリアにはなれない気がします……」
じゃあ、フェチズムはありますか? 自分の身体のここが好き、とか。
「自分の身体の? ……ないです。特には……思い入れが……」
じゃあ、男の人のどんなところをかっこいいと思っちゃいます?
「笑顔」
笑顔フェチか……。今ひとつユーフォリアにはなりにくそうだなあ。
「あはは……」
ヘンな質問ですみませんでした。では普通の質問に戻して……。将来、どんな声優になりたいですか? 目標は? もうすぐ『スピードグラファー』も終了しますが……。
「うーん……今後ですか……。うーん。このまま。自分らしく。いれたらいいな、って思います」
こんなキャラクターをやってみたい、っていうのはありますか?
「えーっと……。うーん……。ギャグキャラ?」
そっか。神楽にはギャグ、無かったですもんね。
「はい……。あ、でも、
今度の発売されるドラマCD
はギャグ満載です」
いつもと違った神楽ですね。それは楽しみですね。そういえば、
歌のCDも発売されるじゃないですか。『JUMP UP!』と、カップリングの『KISS ME! KISS ME』
ですが、どんな曲なんですか?
「どっちともアップテンポで元気な曲です」
歌詞は?
「『JUMP UP!』は、今の私の状況を表した感じの歌詞ですね」
というと、これから大きく跳びだしていく、という感じ?
「そういう感じ……ですね」
『KISS ME! KISS ME!』は?
「すごく女の子らしい詩です」
私にキスして! ですもんね。イイっすね! 言われたいっすね! ところでレコーディングはどうでしたか?
「もういっぱいいっぱいで……」
歌は得意じゃないの?
「ちょっと苦手ですね……」
でも、すごくイイ仕上がりになってると思いますよ! もっと聴きたいです。今後も歌をやってほしいなあ……。
「機会があればやりたいですけど、斉藤圭としてやるのは、ちょっと……。キャラクターソングとしてなら面白そうなのでやってみたいですね」
なるほど。じゃあ、声優とか、演じることとかとは関係なく、一人の女性としては、今後、どんな生き方をしていきたいですか?
「この仕事を始める前は、OLやって、25歳くらいで結婚して、奥さんになって、子供産んで……って思ってたんですけど、声優になっちゃったので……」
なっちゃたので!?
「(笑)。なっちゃったので……。今は、うーん……。今は……。今を一生懸命生きます!」
いい答えだなー(笑)。では、最後に、視聴者の皆さんのために、今後の『スピードグラファー』のみどころを教えてください。
「やっぱり、雑賀と神楽の今後の行方、ですよね。果たして……幸せに……なれるの……か!?」
か!? ……なれるんですか!?
「どうでしょう? ちなみに新治は、すごくおいしい役どころですよ。キャスト皆が“新治はおいしい”って(笑)」
そうなんだ……。神楽はどうなんですか!? 雑賀は!?
「そうですねえ、台本を読んだ限りでは……。うーん……なれるの……か!?」
か!?(笑)。うーん、気になる! 最終回まで、楽しみにしてます! アフレコ、頑張ってください!
インタビュー・構成:サガラノブヒコ
©2005 GONZO / TAP
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