【ローデリア王国】
帝国の隣国。外交上の駆け引きはあるが、かねてから両国間では友好関係が築かれてきた。農業立国として帝国に農業技術の提供なども行っている。内政では、王位継承をめぐって王族どうしで暗闘を重ねた歴史を持つほか、農民蜂起による内乱も少なくない。ちなみに、アリスの大祖父が内乱鎮圧に貢献したため、マルヴィン家とローデリア王侯貴族との間には特別な関係がある。王族の居城は「黄昏の葡萄城(シャトー・ド・レザン・ドゥ・クレピュスキュール)」。
【908HTT】
通称「単眼の火葬兵(アルト・シュミート・イェーガー)」。本来は藪やバリケードといった障害物を焼き払うための工兵装備「火?放射兵装」、その対象を人間に変えるという禁忌を犯し、部隊として編成された。断熱用保護液を満たした防護服を着ているが、その効果は麻酔によって得られたまやかしで、隊員たちは自ら放つ炎の熱により、死に至る火傷を負うことになる。所属していた年少兵ハンスが、確認されたところでは唯一の生存者。
【双剣メーネ】
主に騎馬戦で使用される特異な形状の長刀で、中央部にある把手を軸とし、左右に伸びた剣先で敵を攻撃する。通常の洋剣を持って騎乗した場合、利き手と逆の弱手側に向かって刀を振り下ろすには、愛馬の後頚部を傷つけないよう注意を払わねばならない。しかし、この種の双剣ならば、重みを利用して左右それぞれの切っ先を突き落とすだけで敵に致命傷を負わせることができる。なお、その重さ故、本来振リ回して使うような代物ではないのだが、アリスは使用時に脚甲を装着し非力な女性ながらも使いこなしていた。
【陸情1課(陸軍中央管理局情報部第1課)】
陸軍に於ける情報収集・分析機関として、とくに情報管理および統制を担当。国家公安を担う、極めて重要な位置にある。課長はコネリー少佐。実動第1小隊「第1の大剣(クレイモア・ワン)」、実動第2小隊「第2の曲剣(ダブル・ショーテル)」、実動第3小隊「第3の隠剣(トライ・ダガー)」、実動第4小隊「第4の巨斧(アックス・フォース)」を擁する。
【ボルトアクション】
小銃の形式の一つ。手動によってボルトと呼ばれるスライド機構を前後させ、弾丸の装填、空薬莢の排出を行う。シンプルな構造で命中精度を上げやすいが、一連の動作を必要とするため、自動小銃に比べて射撃と次弾射撃の間隔が空く。
【自動小銃(オートマチック)】
ボルトアクションを発展させたもので、発射時のガス圧等を利用して弾丸の装填、空薬莢の排出を自動的に行う。連発可能という利点があるいっぽう、銃製造にコストがかかり、重量も重くなるうえ、反動によって命中精度も劣る。
【小隊・中隊・大隊・師団】
軍隊の単位。小隊(指揮官:少尉)が複数集まったものが中隊、中隊が複数集まったものが大隊となる。師団は、さらに大規模なもの(旅団、連隊の集合編成組織)で、国によって異なるが、兵員は約1万程度。
戦略の単位として独立した立場、権限を有し、司令部を構える。師団ともなれば、物資輸送など、後方支援担当の兵も備えている。
【ヘッジロウ・カッター(破砕衝角)】
生け垣(hedgerow)などの障害物を除去するため、
装甲戦闘車輌の前方下部に取り付けられた巨大な
鋼鉄製の鋤(すき)状デバイス。敵陣への突入時に大きな効果を発揮する。
【スモーク・ディスチャージャー】
戦車等に装備された防御用の煙幕発射弾頭。
車体の周囲に煙幕を発生させて敵の視界をさえぎり、
攻撃目標をそらす効果がある。
【パンプキン・シザーズ】】
3課の実動小隊の名称。戦災復興を任務とした陸軍情報部第3課。戦災復興の名の下あらゆる業務を行う。設立目的は戦災復興を演じることで臣民の不満を抑制する言い訳(プロパガンダ)。 情報部内でも「お気楽3課、お祭り部隊」と揶揄されているが、隊員たちは与えられた権限をフルに活用し、戦災復興を目指し日々活動している。
【901ATT 命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー) 】
不可視の9番の一つ。Anti Tank Trooper(対戦車猟兵)。戦車に肉薄し、装甲の薄い部分から直接内部の人間を狙う。敵を倒すために一切の犠牲を厭わない彼らの戦いぶりは、「たとえその瞳を灼かれても、たとえその腕をもがれても、『死沼へ誘う鬼火(ウィル・オー・ウィスプ)』に導かれるまま、『保身無き零距離射撃』を敢行する―」戦車兵の間でこんな噂として伝わるほどであった。
【拝命十三貴族】
アリス少尉のマルヴィン家を含む、皇室会議への列席を許された誉れある貴族。帝国への多大な功績が認められ、十三貴族には特別に皇帝から字(あざな)が与えられている。
ちなみに、マルヴィン家の字は“L(レイ)”。「斬り裂きし者」という意味を持ち、戦場で常に先陣を斬り開いた騎士の軍功を讃えている。
【不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)】
フロスト共和国との戦争中に帝国が設立した900番台の部隊群の総称。人道を無視した装備や、国際条約違反兵器の使用等、勝利を得るために冒した帝国の『禁じ手』。表沙汰には出来ないため、彼らは『存在しない』事にされた。
【903CTT 灰色の狼(グラオ・ヴォルフ)】
不可視の9番の一つ。毒物等の化学弾頭を使用するChemical Tactics Trooper(化学戦術部隊)。別名『死灰を撒く病兵(クランクハイト・イェーガー)』。
いかがだったでしょうか?少しでも、パンプキン・シザーズの物語、世界を理解するのに役立てるようこれからも、不定期更新していきますので、お楽しみに!