君は見たか!? ジアースの最後を!!
ほとんどの人が見ることすら許されない、だが誰もが注視するはずの戦いが行われた。
ジアースの最後の戦闘があったのだ。大手のテレビや新聞などではまったく情報が流れない中、午後6時頃よりネット上を中心にして「ジアースがまたロッポンギに現れた!」という噂が流れ始める。ロッポンギ周辺からは民間人は完全に避難し、さらに先の国防軍の爆撃によって廃墟と化しているため、目撃者などいるわけがない。そのため「いつもの誤報」と思われていたのだが、国防軍が撮影したと思われるジアース戦闘の映像がほぼリアルタイムでネット上に流出したことにより、事態が一気に変わった。
その後、なおも大手マスコミ各社が沈黙する中、独立系の局によって実際にジアースの映像が撮影・公開され、「ジアースが再びロッポンギに出現!」は、まごうことなき事実として知れ渡った。すると、この話を聞いた首都圏の避難所の人々の多くが、まるで引き寄せられるかのようにロッポンギ周辺へと向かっていったのだ。軍や警察の警戒線に阻まれて直接ジアースの姿を見ることができたものは彼らのうちごく少数だったが、確かにジアースが戦う音が遠くから聞こえていた。
ほんの少し前、そこは電車や車の音、さまざまな音楽、人々のざわめく声が聞こえる大都市だった。ところがそれらの音は完全に消え去り、今はただ巨大ロボット同士が殴り合う音が、夜から朝、昼、そして夕方と、ほぼずっと続いた。
国防軍撮影のものと思われる映像によると、ジアースはまる1日以上にわたる長い戦いによって片腕を失い、満身創痍の姿となった。だが最後には、今までと同じくジアースの勝利によって幕を閉じる。だがその後ジアースは全ての力を使い果たしたかのように、パーツががらがらと外れて自己崩壊していった。
その後政府からは、「ジアースが再び出現したが、ロッポンギの廃墟で戦闘が行われたため、死傷者は出なかった」「ジアースの消滅が確認された」とだけ発表され、ジアースの破片が回収されたのかどうかについては触れられなかった。もしかしたら政府が破片を回収したがそれを隠匿しているのかもしれないし、今までのように戦闘終了後は破片も含めてすべて消滅してしまったのかもしれない。
また、国防軍より流出したとされるジアースの映像については「映像が本物であるかということを含め、調査中である」とだけ発表されている。しかし、その流出経路がきわめて不自然なことから、「大手マスコミや政府がジアースについて沈黙する中、軍の一部の人間が意図的にリークしたのではないか」という説も流れている。
国防軍の秘密兵器とも、宇宙人がもたらしたとも言われたジアースの正体ははたして何だったのか、何ひとつ満足な解答はなされていない。もしかしたら真実を知っていたかもしれない古茂田議員の死の真相も、真実が記されていたかもしれないジアースリポートが何だったのかも、未だに事実がはっきりしたとは言えない。
ロボットの被害にあった人々にとっては、「自分たちに何が起こったのか」「なぜ自分の家族は命を落とすことになったのか」を知りたいと思ってやまないだろう。そういった人々のため、私たちはただただ真実をどこまでも追求していきたい。それでも全ての真実が明らかになることは永遠にないかもしれないが、決して今回の事件のことは忘れない。それが、犠牲者に対して我々が報いることができる、唯一の道なのだから。
ほとんどの人が見ることすら許されない、だが誰もが注視するはずの戦いが行われた。
ジアースの最後の戦闘があったのだ。大手のテレビや新聞などではまったく情報が流れない中、午後6時頃よりネット上を中心にして「ジアースがまたロッポンギに現れた!」という噂が流れ始める。ロッポンギ周辺からは民間人は完全に避難し、さらに先の国防軍の爆撃によって廃墟と化しているため、目撃者などいるわけがない。そのため「いつもの誤報」と思われていたのだが、国防軍が撮影したと思われるジアース戦闘の映像がほぼリアルタイムでネット上に流出したことにより、事態が一気に変わった。
その後、なおも大手マスコミ各社が沈黙する中、独立系の局によって実際にジアースの映像が撮影・公開され、「ジアースが再びロッポンギに出現!」は、まごうことなき事実として知れ渡った。すると、この話を聞いた首都圏の避難所の人々の多くが、まるで引き寄せられるかのようにロッポンギ周辺へと向かっていったのだ。軍や警察の警戒線に阻まれて直接ジアースの姿を見ることができたものは彼らのうちごく少数だったが、確かにジアースが戦う音が遠くから聞こえていた。
ほんの少し前、そこは電車や車の音、さまざまな音楽、人々のざわめく声が聞こえる大都市だった。ところがそれらの音は完全に消え去り、今はただ巨大ロボット同士が殴り合う音が、夜から朝、昼、そして夕方と、ほぼずっと続いた。
国防軍撮影のものと思われる映像によると、ジアースはまる1日以上にわたる長い戦いによって片腕を失い、満身創痍の姿となった。だが最後には、今までと同じくジアースの勝利によって幕を閉じる。だがその後ジアースは全ての力を使い果たしたかのように、パーツががらがらと外れて自己崩壊していった。
その後政府からは、「ジアースが再び出現したが、ロッポンギの廃墟で戦闘が行われたため、死傷者は出なかった」「ジアースの消滅が確認された」とだけ発表され、ジアースの破片が回収されたのかどうかについては触れられなかった。もしかしたら政府が破片を回収したがそれを隠匿しているのかもしれないし、今までのように戦闘終了後は破片も含めてすべて消滅してしまったのかもしれない。
また、国防軍より流出したとされるジアースの映像については「映像が本物であるかということを含め、調査中である」とだけ発表されている。しかし、その流出経路がきわめて不自然なことから、「大手マスコミや政府がジアースについて沈黙する中、軍の一部の人間が意図的にリークしたのではないか」という説も流れている。
国防軍の秘密兵器とも、宇宙人がもたらしたとも言われたジアースの正体ははたして何だったのか、何ひとつ満足な解答はなされていない。もしかしたら真実を知っていたかもしれない古茂田議員の死の真相も、真実が記されていたかもしれないジアースリポートが何だったのかも、未だに事実がはっきりしたとは言えない。
ロボットの被害にあった人々にとっては、「自分たちに何が起こったのか」「なぜ自分の家族は命を落とすことになったのか」を知りたいと思ってやまないだろう。そういった人々のため、私たちはただただ真実をどこまでも追求していきたい。それでも全ての真実が明らかになることは永遠にないかもしれないが、決して今回の事件のことは忘れない。それが、犠牲者に対して我々が報いることができる、唯一の道なのだから。
(C)2007 鬼頭莫宏・小学館/イズミプロジェクト
注)このサイトはアニメ版「ぼくらの」のプロモーションサイトです。
協力:小学館 月刊コミックIKKI編集部
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