自転車からおしゃれチェアまで 上半期のヒットアイテムを振り返る
気がつけば今年もあっという間に半分以上が過ぎてしまった。年々時間が経つのが早くなっていくのは自分が年をとったからだけではなく、世の中が目まぐるしく変化しているせいもあるんだろうね……というわけで、そんな激動の20××年上半期のヒット商品を振り返ってみよう!
まず、再注目されてブームとなったのが自転車である。その要因となったのは、例の怪獣騒動だった。怪獣が出現した地域の壊滅状況はTVのニュース映像などでよく知られているところであるが、ああいった場所で今も生活する人々にとって最も頼れる移動手段が自転車なのである。なにせ、道路自体が著しいダメージを受けているので、自動車で動こうとすると行ける範囲がかなり限られてしまう。さらにエネルギーの供給が一時ストップしていたこともあり、自転車が一躍脚光を浴びる形となった。やがて自転車人気は被災地から全国へと飛び火し、国民的な一大ブームに。町が自転車で溢れかえるという、日本では珍しい光景が見られるようになった。新しく自転車ユーザーとなった人によると、移動手段としての便利さだけでなく、運動不足の解消やダイエットの効果も抜群なのだとか。なるほど、こちらの面でも現代人にとっては重要なニーズを担っていたということか。
ダイエットといえば忘れてはいけないのが、深夜の通販番組からブレイクしたエクササイズDVD。体験者からは「運動不足の人間にはかえってキツイ」という声が上がっていたが、それでもこのDVDは売れに売れた。ブームに乗って、6月には鬼隊長としておなじみのインストラクターが来日する予定があったが、怪獣騒動の余波で中止となり、残念がった“隊員”たちが多かったことも記憶に新しい。
さて、昨年までのヒット商品といえば、名前を連ねるのはほとんどがデジタル製品だったりしたが、今年はそんな勢いが一段落したことも特徴だったといえる。満を持して登場した新OSや新型ゲーム機など、かつてならば一大ムーブメントとなっていたものが、決して低調ではないとはいえ往時の勢いは取り戻せないでいる。デジタル製品の進化は確かに日進月歩だが、その反面、ついていけない人も続出しているのかもしれない。それと関係するのかどうかはわからないが、今年はシンプルなアイテムが流行った年でもあった。
その代表的なものが、椅子。何の変哲もない椅子に関心が集まるというのも非常に面白い現象だった。ブームの火付け役となったのが、とあるブログで書かれた、椅子の魅力を熱く語った日記。一見馬鹿馬鹿しいようで、これまで誰も注目しなかったジャンルについて真面目に解説したこのブログに影響され、ブログに自分の座る椅子の写真をアップすることが俄かにブームとなった。まったく、世の中何が流行るのかわからないものである。
しかし、考えてみれば筆者がこうして原稿を書いている時に座っているこの椅子も、毎日毎日文句ひとつ言わずに中年太りの体を支えてくれているのである。そんな愛すべき相棒(マイチェア)への感謝の気持ちを思い出しつつ、“彼”に楽をしてもらうためにも、明日からは自転車とDVDでダイエットにでも励むとするか……!
気がつけば今年もあっという間に半分以上が過ぎてしまった。年々時間が経つのが早くなっていくのは自分が年をとったからだけではなく、世の中が目まぐるしく変化しているせいもあるんだろうね……というわけで、そんな激動の20××年上半期のヒット商品を振り返ってみよう!
まず、再注目されてブームとなったのが自転車である。その要因となったのは、例の怪獣騒動だった。怪獣が出現した地域の壊滅状況はTVのニュース映像などでよく知られているところであるが、ああいった場所で今も生活する人々にとって最も頼れる移動手段が自転車なのである。なにせ、道路自体が著しいダメージを受けているので、自動車で動こうとすると行ける範囲がかなり限られてしまう。さらにエネルギーの供給が一時ストップしていたこともあり、自転車が一躍脚光を浴びる形となった。やがて自転車人気は被災地から全国へと飛び火し、国民的な一大ブームに。町が自転車で溢れかえるという、日本では珍しい光景が見られるようになった。新しく自転車ユーザーとなった人によると、移動手段としての便利さだけでなく、運動不足の解消やダイエットの効果も抜群なのだとか。なるほど、こちらの面でも現代人にとっては重要なニーズを担っていたということか。
ダイエットといえば忘れてはいけないのが、深夜の通販番組からブレイクしたエクササイズDVD。体験者からは「運動不足の人間にはかえってキツイ」という声が上がっていたが、それでもこのDVDは売れに売れた。ブームに乗って、6月には鬼隊長としておなじみのインストラクターが来日する予定があったが、怪獣騒動の余波で中止となり、残念がった“隊員”たちが多かったことも記憶に新しい。
さて、昨年までのヒット商品といえば、名前を連ねるのはほとんどがデジタル製品だったりしたが、今年はそんな勢いが一段落したことも特徴だったといえる。満を持して登場した新OSや新型ゲーム機など、かつてならば一大ムーブメントとなっていたものが、決して低調ではないとはいえ往時の勢いは取り戻せないでいる。デジタル製品の進化は確かに日進月歩だが、その反面、ついていけない人も続出しているのかもしれない。それと関係するのかどうかはわからないが、今年はシンプルなアイテムが流行った年でもあった。
その代表的なものが、椅子。何の変哲もない椅子に関心が集まるというのも非常に面白い現象だった。ブームの火付け役となったのが、とあるブログで書かれた、椅子の魅力を熱く語った日記。一見馬鹿馬鹿しいようで、これまで誰も注目しなかったジャンルについて真面目に解説したこのブログに影響され、ブログに自分の座る椅子の写真をアップすることが俄かにブームとなった。まったく、世の中何が流行るのかわからないものである。
しかし、考えてみれば筆者がこうして原稿を書いている時に座っているこの椅子も、毎日毎日文句ひとつ言わずに中年太りの体を支えてくれているのである。そんな愛すべき相棒(マイチェア)への感謝の気持ちを思い出しつつ、“彼”に楽をしてもらうためにも、明日からは自転車とDVDでダイエットにでも励むとするか……!
(C)2007 鬼頭莫宏・小学館/イズミプロジェクト
注)このサイトはアニメ版「ぼくらの」のプロモーションサイトです。
協力:小学館 月刊コミックIKKI編集部
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