怪獣? ロボット? 世界中が日本に注視

 日本に現れた巨大な怪獣(ロボット?)は、今や世界中の注目の的となっている。

 世界各地のマスコミが日本の被災地に殺到しているほか、国際赤十字などからの救援の物資が送られてきている。ボランティア活動のために日本にやってきた人もいれば、「怪獣を一目見たい」というカルト宗教的なツアー参加者までもが日本にやってきている状態だ。そして世界中の新聞やTV、雑誌、個人が運営するインターネットのブログなどにて、この怪獣の話題やその正体についての推測、憶測が語られている。

 これほどまでに、世界中でこのニュースが大きく扱われているのはなぜか? もちろん、世界史上に前例のない事件であるということもあるが、それだけではない。「あの怪獣は、自分の国に現れるのだろうか?」という恐怖感が、世界中の人々の上に重くのしかかっているからである。

 次はいつどこの国に、あの怪獣が出現するかわからない。そのため世界各国の軍隊は警戒即応体制を高めており、それに比例して、軍事費の増大、事故の増加、誤報による警報発令などが増えているのが現状だ。

 また、「どうしてあの怪獣は日本だけに出現するのか?」というのは、日本国内でも何度か提示されてきた疑問だが、この謎が解き明かされないことには、次はどこに怪獣が出現するのか予測できない。さらに怪獣が出現した場合、どのような対応を取るべきかという情報も、怪獣対策には不可欠である。

 そのため米中などの世界各国では、国際的な調査団の受け入れを日本政府に対して求めている。だが日本政府は、さまざまな理由をつけて調査団受け入れに消極的になっているため、不信感といらだちが発生している。

 アメリカ政府のキッシンジャー大統領報道官は、●●日の声明で以下のように発表している。

 「もはやこの事件は日本だけの問題ではない、世界的な問題である。我々は、日本政府が発表されている情報だけでは満足していない。我が国の研究組織が調査に参加することにより、日本政府が到達できなかった解答を見つけられる可能性もあるし、そうすれば日本にとっても利益となる。また我が国の安全保障にとっても有益な情報を得られるだろう。双方にとって有益な共同調査にどうして日本政府が消極的なのか、疑問に思っている」

 この声明でははっきりと示唆することこそ避けられたものの、「日本政府には、怪獣について隠匿しておきたい情報があるのではないか」という疑念は、すでに他の国の政府の内外からも出始めている。

 どうやらこの怪獣は、すでに国家間の駆け引きの素材になっているようだ。しかもレートは次第に上がりつつある。チップは各国の人々の命である。